Monday, June 30, 2008

教養科目

私の大学では、基礎課程にて、主に実践的知識を養う科目が教養科目として組まれたカリキュラムでした。例を挙げれば、様々なマテリアルの特性、モデル制作に必要な機械の操作方法など、工房実習と組み合わされた授業がほとんどだったと記憶しています。

それに対して本課程では、デザイナーとしての教養を育てるような講義が必修または選択必修科目となっていました。
これには、うちの大学が創設された経緯から、デザイン論理に力を注いでいたということが関係していると思われます。(実はそんなこと知らなくって入学したのですが…)

日本でも美術大学で勉強したのですが、私の通っていた日本の大学では必修科目でもある程度講義に出席し、学期末に(かなりいいかげんな)レポートさえ提出すれば単位が取れる(筆記テストなんてほとんどなかった)という、はっきり言えば楽なシステムでした。
しかし、ドイツの大学では、デザイナーとしてプレゼンテーション能力を高めるため、実技の課題の発表だけでなく、教養科目でのレポートの発表も義務とされていました。
そして、レポート発表後、そのレポートの文章に手を加えることはもちろんのこと、独自のレイアウトデザインを加えたドキュメントの提出がありました。

教授いわく「レポートくらい、本を2~3冊読んで、その内容をまとめて、ちょっと独自に展開させたものを出せばいい」という話でした。
が、ドイツ語を母国語としない私のような外国人としては、最初の1年間は本当に泣きながら本を読みつつ文章を書き、Power Pointを仕上げ、その後、レイアウト用ソフトを使って仕上げなければならない作業が本当に苦痛でした。
何より、早めに文章だけでも仕上げ、ドイツ人の友人に文章の校正をしてもらわねば発表も提出もできません。
最後の方でも他の学生よりも随分早くにリサーチなどの準備を進め、綿密に計画を練りつつ仕上げないと終わらない上、単位ももらえない作業でした。
しかし、私の学科では筆記試験があまりなかったため、その点ではきちんと計画的に進めておけばどうにかなったということも言えます。

結果としては、このことが自分のドイツ語能力の向上を助けてくれたわけです(私の場合、入学時のドイツ語能力がギリギリ大学でやっていける程度でした)。
が、やはり、大学に通いながらドイツ語を勉強するよりは、大学に入る前にドイツ語ができた方が言葉によるストレスが軽減される分、他学生とのコミュニケーションなど、他の有意義なことに力を費やせるので、より良い勉強の環境を作り出せることになると思います。

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