Wednesday, June 25, 2008

DSH試験当日

試験前日の夜はやたらと短い夢を見、よく眠ったんだか、眠れなかったんだか分からないうちに、試験当日となった。
泊まったホテルを引き払って、試験会場である大学へ。
大学自体は歴史ある、とても有名なところだけど、この大学のDSH試験は簡単だという噂が留学生うちでは知れ渡っているところだった。(ここまで書けば、ドイツ留学中の方なら大体分かると思います…が、2008年の今はどうなってるのか分かりません)

大学のロビーのようなところで受験生は待たされて、皆一様に落ち着かない様子だった。
何分後かに試験官の指示によって、受験票の番号にしたがって、ある一定人数ごとに試験会場となる階段状になっている大講義室に入った。
ここの大学では席は受験者の自由。
私は1人で行ったので、適当な席に座った。
ここでまず、なんだかおかしいと思ったのが、友達同士で来ている人たち数人が、横並びに座るのではなく、縦並びに座ったこと。
「なんでだろう?」という疑問は、試験開始後にすぐわかった…。

席が階段状になっているのなら、縦並びの方が横並びより、カンニングしやすいからだったようだ…。
下の人の答えを上から簡単に覗き込めるから。
そのほかにも、試験前に「辞書の使用は禁止」と注意を受けたにも関わらず、試験中に辞書を使って没収される人、堂々とカンニングをして、試験官に目をつけられてずっと監視される人、私語で注意される人、いろんな人がいた…。
たかがDSH、されどDSH。
この試験に落ちれば、ドイツに滞在できなくなって帰国しなければならない人もいるだろう。
語学生用の滞在許可ではドイツで合法的にアルバイトができないのだ。
そういう意味で、この試験になんとしても合格し、大学生となって滞在許可を申請して、すぐに自分で自分を養わなければ生活できない人もたくさんいたはず。

その根性に感心はしたが、あまりのうるささに気が散って試験に集中できねえ…。
というのも、すぐ隣+前+後の女の子たちが組織カンニングをしてて、試験官に目をつけられ、30分ほど事あるごとに「私語は禁止」、「自分ひとりの力でやんなさい」だの、「いや、カンニングしてない」という押し問答が続いたのだ。

ただでさえも緊張している中、例の女の子たちのせいで隣に試験官がぴったりくっついている状態での試験は、心身ともにとても疲れた…。
…でも、こんなこと試験中に日本でやったら、即刻会場からつまみ出されるような気が…。
私なら、怖くてそこまでのリスクは犯せないなー…。

4時間後に試験終了。
出来に多少の悔いは残ったけれど、落ちたら落ちたで「あそこまでやったのに落ちたのなら、仕方ない。それが今の実力」とあきらめられるくらいの気持ちになった。
試験結果は約1週間後に出るそうだ。
合否の結果は大学の前に張り出されるが、電話ででも結果を教えてもらえるらしい。
のしかかっていた悪霊でも落ちたのか、なんだか肩が軽くなった気がしつつ、大学を後にした。

「とりあえず、終わったでしょう記念」にケーキでも食おうとカフェに入り、バームクーヘン・トルテとカプチーノを注文。
試験後、興奮していたわけでもないんだけど、体がふわふわしているような、変な浮揚感があった。
会計の際に、「イレブン・マルク、プレーズ」と言われ、にわかに11マルク(当時はまだユーロが導入されてなかったんですねー)のことだとは分からず、「外国人だからって、なんでも英語で言わなくても…」と一人でブツブツ言いながら、自宅のある町へ電車で向かった。

このとき、やたらとカイリー・ミローグが流行っていて、おかげでDSHのことや試験を受けた町のことを思い出すと、未だに自動的にカイリー・ミローグの歌が頭の中でかかる。
ちなみに、某タ○ビを受けて落っこちた時のテーマはカヒミ・カリィだったりする…。
なので、二子多摩川のテーマもカヒミ・カリィです、勝手に。(分かる人にしか分からないネタで、すみません)


10.01.2003記(06.25.2008改)

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