Wednesday, June 25, 2008

美大入試に向けて・その2

ドイツの大学は、一般的に入試行っておらず、願書を提出するだけで大丈夫な場合がほとんどなのだが、美大はもちろん一般的な大学ではない。(もちろん、医学部のような人気の高い学科は、入学制限がある)

従って、「願書の締切は、冬学期で7月15日、夏学期で1月15日」なんて常識は一切通用しない。

私の知ってる限りで、一番早いところで冬学期の願書とファイル提出が1月だった。多くの学校で、確か3月末か、4月末に締切があったはず。

そんなわけで、もう大学が始まる1年ぐらい前には試験方法や締切などの問い合わせをした方がいいのである。

それから、多くの学校で冬学期からしか入学できないということを知っておいた方がいい。
私は8月にドイツにやってきて、それは思いがけず、受験準備にはちょうどいい時だったように思う。(まあ、いきなり試験を受けても大丈夫、っていう人は別だけど)

なんとか生活が落ち着いてきたころに、何校か美術大学を見学した。

一度、たまたま見学しに行った時が、講評の日だったこともあった。
これはラッキーだったと思う。

そうでなくても、大学の募集要項などに、Mappenberatungといわれる<ファイルの作り方指導>みたいなものや、学校の紹介や方針などの説明会などが記されていることがある。
こういう場に顔を出すことは有効な手だと思う。

ドイツ人でも、そういう場に何度か行って、教授に顔を覚えてもらってから受験する人が多いようだ。
そこでは、受験生が持ってきた作品に対して、教授が「こういう作品が望ましい、期待される」とか「ファイルの作品には、こういう方向性を持って欲しい」などを語るのだ。

私の学科がデザイン専攻なせいか求められたものは、「作品と構想の過程」だった。

私は大学の時の作品があまりまとまっていなかったのと、見せたくなかった(自分で見てもイケてなかった…)のと、求められている方向性と違ったことがあって、こっちに来てから半分ぐらいの作品を新たに制作した。

割と好きなように制作していたし、楽しかったので、そんなに苦にはならなかったけど、やっぱり締切が近づいてくると、ストレスと不安から眠れない日があった。

入試のために作品を制作しなければならない、ということと、DSH試験のために毎日ドイツ語を勉強し続けなくてはいけない、ということを両立することかなり大きなストレスだった。

たとえ、十分な時間があったとしても、どうせ私のことだからダラダラして間際に泣きを見ることになってただろうけど…。


01.06.2002 記(06.25.2008改)

No comments: