Thursday, June 26, 2008

Praktikum・その後

3月からついこの間までの4ヶ月間、ずっとPraktikum(企業研修)の受け入れ先を探していた。
まだ多少、ドイツ語力に不安は残るけど、今夏に最低でも1ヶ月はやるぞー、と結構いろんなところに手紙と願書(?)を出してみた。

で、どうだったか、というと、全滅でした…。

前にも書いたように、ヨーロッパでは多くの会社が工場を閉鎖して、夏休みを取る、ということが夏に研修先が見つからない大きな理由みたいだけど、そのほかの理由として、あまり状態の良くない最近のドイツの景気もあるらしい。
そんなわけで、私と同じように研修先を探していたクラスの子達も結構苦労していた。

なんで今夏に最低1ヶ月の企業研修を決意していたか、というのは、実はVordiplom(基礎過程終了試験)のためである。
大体どの大学でも、この試験は第4ゼメスター終了後(入学から2年後)に受験できるものであり、うちの学校では、その試験の受験条件として、3ヶ月間の企業研修終了がある。
私は現在、第2ゼメスターの終わりで、順調にいけば、今から1年後にこの試験を受けることになる。
あくまで、”順調にいけば”なんだけど…。

つまり、まーったく研修をしていない私は、この1年以内に義務である3ヶ月の研修を終える必要があり、この夏休みを逃すと、研修をできる期間は来年春の休みのみ。
しかし、その春休みは2ヶ月しかない。

と、いうわけで、結構必死になって研修先を探していた。
…別に、Vordiplomは、「猫もしゃくしも4ゼメスター目に受けろ!」っていう試験でもないから、5ゼメ目とかに受けてもいいんだけど…。でも、面倒なこと を先延ばしにするのもなんなので。

しかし、前述したように、結構たくさん願書を送った割には、全滅した。
実は、この件を学校の先生に相談したところ、「どうしても見つからなかったら、うちの学校の工房で研修させてあげるから」と言われていたので、本当に八方ふさがり なわけでもなかったんだけど、やっぱり、ちゃんとものを生産している工場の方がいい、ということなので、つい先日まで、願書を送る作業は続けられていた。

「もうこりゃ、ダメだなー。さっ、学校で研修させてもらおう」と思った矢先に、とある企業から「面接にきてくれ」という電話をもらった。

その面接が、先週の金曜日。
内心、面接の連絡が入ったのは嬉しかったのだけど、今まで散々断られ続けたので、かなり気を引き締めていった。
「ひょっとしたら、いっぱいいる研修志願者の中から選ばれるのかもしれないから、過剰な期待はしないおこう」って。

…自分でも、この心がけが功を奏するとは思いもよらなかった…。

結果から言うと、この企業、最初から私を採る気なんてなかったよーだった…
でも、なんで連絡を寄越したか、というと、この会社とうちの大学教授の1人となんらかのつながりがあり、どうも、この会社は、私が「彼の紹介で願書を出した」と思ったらしい。

面接では、やたらと丁寧な管理部門のおっさんに、かーなーりー失礼なことを言われた…。

「あんたは、ドイツ語がしゃべれないけど、語学学校には通っているのか?」とか、「あんたと話すのは、ものすごい努力が要るけど、私以外の従業員はこんな 努力をしないから」とか、「うちの企業も景気が悪くって、研修生なんて受け入れてないんだけど、あの教授が言うなら…」などなど。
「ただ、そばで見てるだけなら、研修生として採ってやってもいいけど、機械に触るのは禁止だし、給料も出さないよ」とかも言ってたなー。

言っちゃーなんだが、私はその大学教授を知らないし、給料をもらう気なんてこれっぽっちもなかった。

まあ、当たってるところもあるんだけど(特にドイツ語力に関しては…)、ここまで「どうにか向こう(私側から)断らせよう」って態度が見え見えだとなー。
「景気が悪いから、研修生を採ってない」って、労働局に「研修生募集」の広告を出してたから、願書を送ったんですけど…。
向こうは、どうにか丸くことをおさめたかったようだけど、それならはっきり、「うちでは、あんたを研修生として採用できません」って言ってくれた方が、こっちとしてもすっきりしたと思う。

はっきり言って、私が願書を出した他の企業みたいに、手紙で断ってもらった方が、時間の節約になった。

この日は、このやたらと丁寧で(私にとっては)失礼な親父のせいで、めちゃめちゃ落ち込み、1日台無しだったから…。
この話を、うちのドイツ人の同居人にしたら、「そんなケツの穴野郎のことは、すぐ忘れろ」とか言われて、どうにか回復したけれど。

やっぱり、生産活動している企業として、私のように言葉にハンディのある奴は、時間の無駄と思われても仕方がないのだけど、毎日通学(勤?)往復3時間かけて、「見てるだけ」っていうのは、いくらなんでも得るものが少なすぎる。

この親父には、「(例の)教授と相談してから、うちの電話しろ」と言われたけれど、翌週の月曜日にすぐ、別の先生のところに行き、大学の工房での研修の期間を決定したことは言うまでもない。
電話にかかる費用と時間がもったいないから、あの親父には連絡する気もないし。

「いつか有名なデザイナーになって、ゲ○川に復讐してやるーーーーー!!」と思っていたりする…。

しかし、最近の口癖が、「いつか復讐してやる」になってる私。
客観的にこの台詞を聞いたら、きっと危ない奴だと思われるよね…。

そんなわけで、すでに来週からうちの学校での研修が始まることになりましたー。


(追記 : 6年後の今、読み返してみれば、まあこんなこともあったなー、くらいの話です。後に本当によいところで研修させてもらえることになったので、この件に関して後悔は全くしていないのですが、ほかのみんなに話を聞くと、中小企業での研修は多かれ少なかれ、似たようなトラブルがあるみたいです)


07.05.2002記(06.26.2008改)

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