Thursday, July 03, 2008

Diplom(ディプロム=卒業試験)

本課程で卒業に必要な単位がすべて取れたら、卒業試験に申し込むことができます。
これは日本でも同じですね。
しかし前にもどこかで書きましたが、私の日本の大学とは違い、いくら単位が揃っていようが、自分で試験の申し込みをしない限り卒業試験を強制されることはありません。論理的には、5年で卒業単位がすべて取れても、その後10年以上、大学に在籍することも可能です。
まあ、こんなことをする人は最近の授業料云々の問題もある上、メリットも少ないのであまりいないでしょうが…。

卒業試験は卒論の提出、卒制のモデルとそのドキュメント、そして、論文と制作に対しての口答試験が別々にあり、最終的に内部、外部から人を集めてのプレゼンがありました。(あくまでうちの大学の場合です。多くの大学では卒業試験のプレゼンが外部公開されていないようです)

私のドイツの大学では、年に2回卒業試験の申し込みがありました。友人の話を聞いても年2回というのがスタンダードなようです。
その申し込みの際、単位を取得したゼミなり講義なりのリストとその授業を担当した教授のサイン、そして卒業制作の申し込み用紙を指導教授のサインとともに提出します。(うちの場合は学科の秘書さんが申し込みを受け付けていました)
そこで、渡したリストにある単位が本当に取得できているかが照合され、そこでOKがでれば卒業試験の申し込みが完了します。(注1*)
うちの大学の場合、指導教授が2人必要でした(そのうちの1人は外部のデザイナー、その分野で十分な知識を要している人でもOK)が、これも大学によっては指導教授は一人だけ、というところも少なくないようです。

卒業制作の期間については、大学によってバラつきがあります。
私の大学では毎年2月申し込みの卒制は11月の頭に修了し、7月に申し込みのものは4月頭に修了しています。
が、友人の話を聞くと、学期初め(4月か10月)に申し込み、学期末に修了するという人もいましたし、学期始めに申し込み、次の学期の中盤ごろに卒制発表という大学もあります。申し込みから卒制の発表まで3ヶ月くらいという人もいました。
私の大学のように中途半端な時期に始まって、終わる上、足掛け3学期(9ヶ月)も続く卒制はドイツの美大の中でもさすがに特殊なようでした。

私個人の意見としては、期間が長いからといって充実した制作になったかというと…。
自分のやりたいことがはっきりしていて、教授もそれを了承している場合には時間も十分にある中、一気に制作を進められるのでしょうが、私の場合、割と抽象的なテーマを選択した上に、2人の指導教授の意見が分かれることがかなりあり、中盤から最後までアイデアを練っては捨て、また練り直し…の繰り返しとなりました。
私の周りも、「逆に時間がありすぎる分、『もっと良いものができるのではないか?』と常に不安になっていろんな方向性、デザインに手を出した考えた結果、最終的には制作時間が足りなくなりそうになった」という人も多く、卒制でもっとも重要なのはタイムプランだ、と痛感しました。

もし論文、制作とも提出期限に間に合わなくなったら試験延長も可能ですが、ドイツの教育システムでは基本的に2回連続で不合格や延長をすることは認められないので、もし2回目に間に合わなくなった場合には退学させられることになるので注意が必要です。

(注1*)
うちの大学では、卒業試験申し込み後に取得(予定)単位のレポート提出も認められていました。人によっては申し込み後、3つのレポート提出をした人もいます。その人いわく、本当は2年前に提出しているべきレポートだったみたいです
ただ、こういうことはうちの大学のように規模が小さく、学生と学科の秘書さん、大学教授がみんな友達のような感覚で機能しているようなところだからこそ、可能であったことだと思います。(要するにいい加減だった)
管理の厳しい大学では絶対認められないはずなので、注意してください。

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